2009年 第29回 横浜マラソン大会の途中経過とととりあえずのリザルト

7時半起床。相棒どのにスパゲティミートソースを作ってもらう。我が家にはマラソン大会前はスパゲティミートソースという暗黙の了解がある。験担ぎのようなものだが栄養学的にも正解じゃなかろうか。バタバタして気がついたら8時半を過ぎていた。なんだかんだで家を出たのは9時近くだったろうか。


元町商店街で応援の人に声をかけられお話ししながら山下公園へむかう。相棒どのは緊張のためか珍しく終始無口。失礼とは思いながらも小走りでピョンピョン跳ねながらお話しさせて頂いた。


ナイトランニングが常の自分にとってはこれも大事なウォーミングアップ。自分のカラダにむかって「カラダ君 wake up。これから酷使するからそのつもりで覚悟するように」という宣告を与えているのだ。そうじゃないと夜型専門のカラダ君がびっくりしてしまうからね。


ゼッケンをもらい場所を確保しゼッケンの取り付けとストレッチを開始。足の裏と太股裏はとくに入念に行う。


服装。上はlottoのサイクルウエア、下はCW-Xセミロング。最近このかっこうが気に入っている。というのもサイクルウエアは前がジッパーで胸部が開放できる。後半体中が熱を持ったときにこれがけっこう効くのだ。空冷式ラジエーター代わりといえるかもしれない。ゼッケンを下の方に取り付ければ全開近くまで開放可能。グダグダになってくると着崩れてセクシーにもなれる。手袋は薄手のランニング用ではなく厚めの毛100%のものをチョイスした。


ストレッチ終了後、本格的ウォーミングアップに入る。山下公園前道路をキロ5分ペースで2本。体を温めるためダウンジャケットとナリーニの起毛アウターを着込んでのランニング。ダウンジャケットを脱いで4本。だいぶ体が温まった。


この時点で体調はまぁまぁ。昨晩服用した風邪薬の影響もないようだ。気になったのは足のスカスカ感。足が軽いと言うのではなく微妙にかったるい感じ。ここまできたら何をしようとどうしようもないので諦めて荷物を預けに行く。


ハーフ組を横に見ながらスタート地点に向かう。目標タイム30〜45分のプラカード下、先頭集団グループに紛れ込ませてもらう。5040番という若い番号のため紛れ込んでも怒られることはなかった。この時点で10時15分。密集の中に入ってしまえば寒さは軽減する。ここらへんは昨年経験済みの強み、と思ったが先頭集団は前に人がいないのでかなり寒かった。


ハーフ組がスタートする前であれば割り込んでも怒られることはないだろうが、前集団がスタートしたあと、山下公園前道路に出てしまうともう割り込むことはできない。ここで防御網を越えて割り込もうとした人には陸連の方から怒号が飛んでくる。10時10分くらいに集合が無難だろうか。


スタート。いつものようにドバっと抜かれる。以前にも書いたことだが「追い抜くこと」に費やされるエネルギーは相当なものだ。できるだけ前方に陣取り前半は大勢の方に抜いてもらう、これが正しい戦略だ。


それでもそこそこいいペースで走れているらしく思ったほどには抜かれなかった。狭くなる坂道も快適に走行。追い抜くために右に左に飛び回って蛇行を繰りかえした前回大会とはえらい違いだ。


しばらくは予定通りキロ4分30〜40秒くらいのマイペースで進んだが、強風が気になり風除けになってくれる人を探す。自分より少し早いペースで走ってる長身に方の後ろに付ける。前半5キロ地点までこの方の後ろで待機。ここまでたぶんキロ4分25秒ペースといったところだろう。


バテてしまったその方の次のペースメーカを探し綺麗なフォームで走る赤Tシャツの方の後ろに付ける。この方とは6キロ地点まで同走。ペースはキロ4分15秒くらいだろうか。やはりバテてペースダウンしたころを見計らって次なるペースメーカ探し。


ここで出会ったゼッケン5337番の方、この方には勝手に衷心より感謝してる。非常に綺麗なフォームでほとんど呼吸を乱さず進む5337番の御仁。この方なくしてきょうのマラソン大会は語れない。自分には早すぎると思われるペースだがここは無理しても付くしかないと判断。根性で9キロ地点まで付いていく。


途中何回かペースアップされ、ちぎられそうになるのを諦めず必死に食らいつく。たぶんキロ3分50〜4分ジャストくらいだったろう。健闘虚しくラスト1キロ地点にある坂道でちぎれてしまう。遠ざかるゼッケンを見ながら「ありがとうございました」と心中で頭を垂れる。


ここからは自分との戦い。坂道で歩いてるランナーもちらほら。わかる。わかるよそのきもち。毎度のことながら止まっていったん息を整えた方が効率的なのでは?という誘惑にかられる。足はまだまだ残っていたがいかんせん心肺が限界。心肺の限界に合わせて足も動かなくなる。


ラストにもう一本残ってる坂道で売り切れ一歩手前。ここでかなりの数のラストスパート組に抜かれてしまう。すごく悔しい。が、これが練習量の差。実力差。ここまできたらもうほんと根性しかない。在庫一斉処分の下りでだいぶ抜きかえした。それというのも下って右折してすぐゴールインのはずだからだ。が・・・・あれれ??ゴールが見あたらない??ゴールまでの距離が去年より長くなっていた。これにはやられた。


下りで抜いた女性ランナーに再び抜きかえされる。もう倒れこみたいという気持ちでゴール付近にある電光掲示板の時計を見るとボヤっとだが「42'○○」とみえる。嘘?しんじられん。ダッシュすればもしかしたら42分台でゴールできちゃうの?そう思うとどこに残っていたのやら俄然力がわいてきた。


思い切りダッシュかましグダグダのヘロヘロでゴールイン。5分くらい動けなかった。移動してくださいと言われても動けないんだからどうしようもない。ゴール後少ししてから自分の時計に目をやると42分5X秒という表示。公式グロスはたぶん42分40秒台のはず。1年前のタイムを7分以上上回るタイム。こうして自宅に戻って文章を打ってる今にいたっても信じられないタイムだ。


デブりすぎて近所のコンビニに行くことすらしんどくなりダイエットしようと決意しウォーキングを始めたのが1年半くらい前。はじめて10km走った時のタイムは1時間20分。ずいぶんたってからようやく1時間を切ることに成功した。そのときの自分には42分台というのは「夢のまた夢」のタイムだった。大袈裟ではなくそんなタイムで走るのは人間じゃないとすら思った。


人間ってすごい。「マラソン大会」という場所、逃げることができないこの場所に立つと人は思いも寄らぬ力を発揮するのだ。「逃げ場所を無くすこと」これこそが人が跳躍するきっかけを与えてくれる、そんなわかりきったことを再認識させてくれた大会なのであった。


相棒殿も無事に完走した。10kmを大会1週間前に一本走っただけという極度の練習不足にも関わらずタイムは前回を上回り念願の60分切り。よく頑張った。


これからもランニングと自転車の両立をがんばるぞ。そして来年はフルマラソンにチャレンジするのだ。