第15回 ツール・ド・草津のリザルトと自分と初心者用のメモ、大会レポなど

草津は寒かった。


結果は、50分20秒で、


年齢別:128位/665人
総合 :310位/1962人


一応上位20%以内に入ることはできた。


リザルトをみると総じて昨年より10〜15%ほどパフォーマンスが落ちているようだ。後段に詳述するが、どれだけ風が強くそして寒かったか昨年と今年のリザルトを比較検証しただけでもわかってもらえるはずだ。


そのことをもってして目標値である時速16kmを維持できなかった理由(イイワケともいう)としたい。


続いて、わたしのような初心者・初参加者のためのツールド草津メモなぞを。


会場(集合場所)となるのは「草津国際スキー場駐車場内」。スキー場近辺ということで宿泊先は豊富に用意されている。


宿泊費を気にしなければ大会直前(当日)でも空き部屋は残されているはずだ。現に「空きあります」の看板がぶら下がっている宿を何軒かお見かけした。尤も、これは16日〜17日未明にかけての豪雪で急遽キャンセルされた方のぶんかもしれないが。


我々はコストパフォーマンスのよいホテルヴィレッジに逗留。皇室関係者も利用する由緒あるホテルのようだ。皇室とまったく関係ない、むしろかなり下々な我々は本館ではなくコンドミニアムをチョイス。共済を利用して一人5500円(朝夕食なし)。


4500円で宿泊されている方もいた。話を聞いてみると早めの予約を入れることでこうした破格の宿泊も可能となるようだ。


なので、「もう絶対に出場するのだ!」という志をお持ちの方は現時点で予約を入れてしまってもよいのかもしれない。


宿到着はお昼頃。さっそく受付会場へ向かう。富士、乗鞍と比べると人はまばら。受付を済ませ、隣接されているフリマ会場へ赴くも、こちらも人はまばらだった。


受付場所は天狗山レストハウス


レスハウス前は当然ゲレンデ


会場前に特設されているショップスペースで Pro Tarmac H20 Road Overshoes を購入。寒さのことを考えると本当に買っておいてよかった品だ。


宿へ戻り荷物整理、自転車の組立とチップやゼッケンの取り付け作業を行う。疲れていてもチップ、ゼッケンの取り付けは前日のうちにやってしまいましょう。


自転車調整時、シートポストをいつもより5mm高くしてみた。ちなみに輪行でシートポストをはずすとき、油性ペンで高さ位置をマーキングしておくと作業が楽ちんです。


輪行時、どこにぶつけたのやらディレイラーがひん曲がっていた。当然チェーンラインはグチャグチャ、というかクランクを回すことすらできなかった。曲がっているのを元に戻し、どうせ使うことのないアウターは無視してインナーだけ調整。


電車、車問わず自転車をばらして輸送すると何らかのトラブルに見舞われる、そのことはある程度覚悟しておこう。


ひと段落したので走りに行く、といっても自転車で走るのではなくジョギングである。現地入りしたあとは大会直前まで自転車に乗らない。今のところこれを自分のポリシーとしている。「パンクや事故がいや」なのと「脚を残しておきたい」からだ。これはもちろんド素人なポリシーであって中・上級者の人たちにはそれなりのやり方があるのだろう。


アップダウンの激しい6kmの道のりを35分くらいかけてジョギング。いい汗をかいて帰投後数百メートルほど離れたコンビニへ買い出し。その後温泉へ。2時間半くらい入っていただろうか。


22時くらいまでダラダラおしゃべりして私にとって最大の課題である「就寝」のお時間がやってきた。12時近くまで眠れずここまではいつも通り。とりあえず羊を数えはじめてみたところ120くらいでコテンと眠ってしまった。


AM6:00起床。初めての大会前日熟睡、大快挙である。7時半に宿をでる。8時前に集合場所へ到着。誰もいない。寒すぎるため受付会場で暖をとる。集合場所と会場を何往復かしてみたが集合場所には誰も集まらない。


選手整列は9時にもかかわらず8時40分になっても誰も来ない。往復するのが面倒になってきて第1グループの先頭に自転車を置く。一番乗りとなってしまった。


自分が自転車を置いたのを見計らって皆も一斉に置きはじめた。パレード走行が廃止後初めての大会ということもあってだれもかれも勝手が分からないのだろう。


やっと集まってきたところ


ちなみにツールド草津は一斉計測ではなく個々人ごとにタイム計測が行われるため、がんばって先頭付近を確保する意味はあまりない。相棒殿に聞いたところ最後方でのスタートを争う不毛な戦いも繰り広げられてたらしい。

手前のグリーンラインを越えるとタイム計測が始まる。


スタート直後はいいペースでとばした。ウォーミングアップ代わりに20km/hをベースにして登り心拍を上げきってしまう。その後2kmくらいは同じようなペースで登ることができた。そのうち思っていた以上にしんどい坂道が出現し序盤ペースメーカーにしていたひとたちにもすぐ付いていけなくなってしまった。


5km付近でようやくベストなペースメーカーの方とめぐり会えた。この方とは苦楽(楽はなかったけど)を共にし結局最後まで一緒だった。


このあたりからとんでもない風が吹き荒れてきた。この風は後半にかけて強さを加速させていく。こいでもこいでも進まない。まさに悪夢のような様相を呈してきた。


途中途中でサイコンを見るとなんと11km/hまで速度が落ちている。前から横から(何故うしろからは吹かない?)たたきつけるような風。


とりわけこれほどの横風は初めての体験(阪奈道路を65km/hで下っているときの横風もすごかったがそれ以上だった)で、こぐどころかコケないようバランスをとっているだけで精一杯だった。ディープリムなホイール Zipp 404 などを駆っている人たちはたまらんかったろう。


側面には大量の残雪。風でバランスを崩して雪につっこんで落車されている方もお見かけした。後半にかけますます激しくなる風。そして最大の試練である寒さが襲ってきた。30分以上自転車をこいでいるのに(しかもヒルクライム)体が冷えてくるとはどういうことなのか。


関係者の方に聞いたところによるとこのときの気温はマイナス5度、強風により体感温度はマイナス10度まで下がっていたようだ。


ゴールが近づいてきたので下ハンにぎってラストスパート。最低限の目標にしていた50分切りすら達成できずすごく悔しかった、が、それはさておきさっさと着替えないとヤバい寒さだった。


こんなこともあろうかとインナー5枚、アウター2枚、ロングスパッツ5枚を下山用鞄に詰め込んでいたが(しかもすべて防寒用の特殊加工が施されたものだ)結局それらすべてを着込むことになった。しかし、それでも寒い。震えが止まらない。


周りを見渡すとみんな一様に青白い顔をして震えている。そして昨年のタイムより5〜10分は遅いということを口にしていた。ログハウスでココアと饅頭をもらいストーブ前で暖をとるがいっこうに暖まる気配はない。屋内に入ってもふるえっぱなしだった。


記念撮影をする気力もない。カメラを取り出したところで手がふるえて撮影なぞできるわけがない、そんな状態だった。下山用バスに乗るべきかをひとしきり悩んだあと思い切って自走で下山することにした。バスの下山時間を待つ余裕すらなかったということだ。


絶景撮影ポイントは何カ所もあるのだが途中で止まろうという気力は残されていなかった。とにかく気をつけて無事に下ろうと、それだけだった。


わたしのような初心者の方はこの下山のときこそ気をつけてほしい。ゴール後ということで自分が思っている以上に集中力、体力ともに切れている。帰宅するまでが遠足、この鉄則は心にとどめておこう。


ふらふらで下山し、相棒殿と無事再会。いつもだったら歓喜にわくところだが今回に限っては「寒い」を連呼し続けるのみだった。


豚汁×2杯、おにぎり×3個、唐揚げ、お菓子、天ぷらうどんなどを一気にかき込んだ。それでもまだ震えがとれなかった。


荷物を取りにホテルへ戻り「温泉入りたい」と平身低頭お願いしてみたところ快く応じてくれた(しかも一番風呂を提供してくれた。感謝。)。1時間ほど風呂につかりようやく震えがとまった。


グズグズやっていたせいで帰宅が22時過ぎになってしまったが、この入浴がなかったら次回参加を躊躇する大会となってしまったはずだ。結果的によい思い出となってよかった。そして、来年も出場する(つもり)。


ざっと振り返ってみたがあすにでもまたいろいろ書き足してみようとおもう。